向日町競輪GⅢ「開設73周年記念 平安賞」は3日、最終日を行った。12R決勝は元Jリーガーの北井佑季(33=神奈川)が逃げ切りで記念初優勝を飾った。

 サッカーの道を断念し、競輪へと転向してきた。「他競技から転向してきても記念の優勝ができて、そういう道があることを示せてうれしいです」。汗をぬぐいながら、喜びを感じた。

 しかし「うれしい瞬間というのは本当に少ない。そのために苦しい思いをしている」のが現実だ。師匠の高木隆弘(54=神奈川)から付きっ切りで指導を受け、それが強さを支えている。

 残り1周のタイムは22秒1と破格のもの。3番手で追い付かなかった山田久徳(36=京都)は「北井さんが強かった」と脱帽した。この力を持って「神奈川が盛り上がってきているので、さらに上で」と突き進むのみ。「師匠はGⅠ3回、GⅢ40回の優勝があるので」――。少しずつ、だが確実に近づいていく。