武雄競輪FⅠ「九スポプレゼンツ/日本名輪会カップ第14回闘将・佐々木昭彦杯」が2日に開幕。中川誠一郎(46=熊本)は特選で山田英明の番手回りという重要な役どころで登場する。

 天才スプリンターともてはやされた男ももう46歳。GⅠ3勝に2度の五輪出場という華々しいキャリアを持つが、寄る年波には勝てず今や体のあちこちにガタを抱えながら、かつての貯金を切り崩すようにして踏ん張っている。「展開が向かなかった時に抗う力はもうありません」とお手上げ気味だが、だからといってすべてにおいて無抵抗というわけではなく、突然目の覚めるような一発で若手をまとめて仕留めることもあるからファンは困惑する。

 ただ、番手を回った時はもろさを露呈する。横の動きへの苦手意識ははなはだしく、先日もあのレジェンドOBに真顔で心配されたという。「ワッキー(脇本雄太)の祝勝会で村上(義弘)さんから急に『横の動き、どうにかならんのか?』って言われたんです」と苦笑い。今さらの感はあるが、魂のこもった一言はさすがに胸に響き、少しだけだが背筋が伸びた。

 特選12Rは山田英明の番手。気持ちを入れ直しまっさらな思いで挑む中川が、ラインの要としてどう機能するのか注目だ。