玉野競輪場を舞台に開催されてきたGⅢ「防府競輪開設74周年記念 周防国府杯争奪戦」は最終日の5日、12Rで決勝戦が行われ、清水裕友(28=山口)が前人未到の同一記念6連覇を達成した。GⅢは昨年11月の防府以来、通算9回目の優勝。
苦しい戦いだった。ゴール後のガッツポーズに地元記念6連覇の思いと重さがのしかかっていた。ライン3番手のレースで「すごいチャンスのある位置だったし、みんなそれぞれ仕事をして、ゴール前勝負になればと思っていた。Sはすごく緊張しました」と振り返る。
ラスト2周、高久保雄介が動いて犬伏湧也が突っ張りにかかると、高久保が取鳥雄吾の外で並走。取鳥がさばいて2角番手まくりに出たが、今度は古性優作が襲いかかった。
「スピードが良くて越えそうだったし、当たって止まってくれれば」と清水は執念のブロックで古性を止め、Vロードを自ら切り開いた。
グランプリへ向けて賞金は積み上げた。しかし「優勝して(GPへ)行きたいです」と狙うは次走の競輪祭での頂点。年末決戦への最終切符は自らの手でつかみ取る。