玉野競輪の令和6年能登半島復興支援競輪GⅢ「開設73周年記念 瀬戸の王子杯争奪戦」は29日、開幕した。一次予選7Rでは121期の気鋭・東矢圭吾(25=熊本)がインパクトある走りを披露した。

 本物です。「狙い通り」に主導権を握ると、3番手以降を大きく突き放したままゴール。番手を回った中本匠栄に差されての2着も、「感触は良かった」と手応えのある初日を終えた。

 中大のエースとして学生時代から将来を嘱望されてきた。中本は「圭吾は本当に強い。練習でもピリピリするくらいなんです。本物です」と青ざめた表情で証言する。これからの熊本を背負うのは間違いない。

 東矢自身もその覚悟を胸にしており「期待されているのは重いんですが、自分も熊本を、九州を代表する選手になる、という思いがあるので」と弱気になることなく、成長を誓う。1つ上の世代の嘉永泰斗が頂点への道をこじ開けようとしている今、真後ろからその背中を追いかけていく。

 成長の過程でどうしても立ちたい舞台がある。7月に再開する熊本競輪場は10月に開設記念を行う。「呼ばれるように」――。今、アピールするには絶好の時期。2日目(1日)二次予選8Rでも迫力あふれる走りを見せ、先へ、その先へとつないでいく。