2024年度のグレードレース皮切りとなる川崎競輪GⅢ大阪・関西万博協賛「開設75周年記念 桜花賞・海老澤清杯」が4日、開幕する。S班5人や地元の郡司浩平、北井佑季らが名を連ねる初日の12R特選を前に真杉匠(25=栃木)がうずいている。

 前回の取手GⅡウィナーズカップは初日の粘走、そして2日目毘沙門天賞では単騎での勝利で復活を大いにアピールした。「単騎でその場、その場の判断で」と、昨年11月小倉GⅠ競輪祭決勝を思わせる攻めが光っていた。ヨシ、今年はここから…というところで準決の落車に巻き込まれてしまった。

「ケガはあまりなかったので良かった。でも、前を走っていた森田(優弥)はヘコんでましたね…」

 戦友の苦闘が実らず、2人でさびしく戦場を離れたが、気持ちは切れていなかった。森田や小林泰正といった仲間たちと「前橋と京王閣で合宿してきました」と、燃え盛る思いを練習にぶつけてきた。

 うずく体は初日の12R特選の番組表を見て、さらに火がついた。

「いい車番ですね~」

 7番車は競輪祭決勝を単騎で制したユニホーム。GⅠ決勝級の相手をするには、最高の相棒といえるのだ。大激戦を前に「どうなる、とか分かるものじゃないし、レースの中で判断していきたい」とこれまで単騎で結果を出したスタイルを変えずにいく。

 柔らかい表情とは裏腹の超負けず嫌いの虫が、騒ぎに騒ぐ。