松戸競輪ナイターFⅡ「オッズパーク杯」が4日、開幕する。5Rには127期早期卒業生の市田龍生都(23=福井)が登場。父・佳寿浩氏(76期=引退)の背中を追って競輪界に飛び込んだサラブレッドが、注目の初陣を迎える。

 松戸競輪場に来るのも初めてなら、受付から始まる前検作業の何から何までが初めて。どこに何があるのかも分からなければ、雑談を交わす同期もいない。同県の保護者役・中川博文(57=福井)と田中俊充(49=福井)に付いて回りながら、前検日は作業に追われていた。

「何もかも初めてなので、楽しみと不安と半分半分。(12月の)卒業後は地元に戻っていつも通りのことをやっていました」

 A級のレーサーパンツも「持っていなかったので」と競輪場の売店で購入。初々しい表情で記念撮影にも収まった。

 今月中旬からはナショナルチームに合流し、生活の拠点を静岡県の伊豆に移す。かつての早期卒業生(寺崎浩平、菊池岳仁、太田海也、中野慎詞)同様、しばらくは競技との両立を目指していく。

 アマチュア時は1キロメートルタイムトライアルを最も得意としていたが「1キロをやっていく中で他の種目もチャンスがあれば」と、今後は幅を広げていくことも視野に入れる。

 父の佳寿浩氏からは「競輪に関してはペーペー。とにかく全力を出し切りなさい」と背中を押された。「今はやってみないと分からないことばかり。出し切りながら長所や特長も見つけていきたいなと思います」。期待を一身に背負う輪界のサラブレッドが、プロ第一歩を踏み出す。