川崎競輪のナイターFⅡ「あいわしぼりカップ」は10日に開幕する。ガールズケイリンは目下12連勝中で4場所連続完全Vの坂口楓華(26=愛知)が不動の主役だ。一方で、誰が連勝を止めるのかにも注目が集まる。
その候補の一人として期待されるのが山口伊吹(24=長崎)だ。昨年10月の青森から11場所連続で決勝に駒を進めているものの、その間は準Vが2度で昨年6月の高知を最後に優勝から遠ざかっている。中20日で臨む今回は地元で精力的に街道やバンクで練習を積んできたが「状態は変わらずですね。あまり調子も良くないので」と威勢のいい言葉は出てこない。
ただ、ひそかに目指していることがある。地元佐世保での初優勝だ。これまで10度走って最高成績は22年4月の準V。前回2月も決勝で6着に終わった。「優勝したい気持ちはあるのですが、緊張してしまうんですよね」。家族や周囲の期待に応えたいとの強い思いが空回りしている面もあるようだ。
ガールズの次回佐世保開催は7月7日初日のFⅡミッドナイト。直後にも同月16日が初日で、今年から試行実施されるGⅢミッドナイトが控えている。通算8Vで、年間5度の優勝を飾った22年には8月に4日制の函館を制してミリオンナイトクイーンに輝いており、気温の上昇とともに成績がアップする傾向もある。
そのためにも、まずは目の前のレースで結果を積み重ねていきたい。デビューイヤーの19年12月以来の川崎に「久しぶり過ぎて。バンクも新しくなっていてよく分からないので走ってみてですね」と慎重に言葉を選びながらも、その目はキラキラと輝いていた。