川崎競輪FⅠナイターは20日、初日を迎える。注目は前走の松山GⅢで完全優勝を飾った新田祐大(38=福島)だ。12R初日特選は堤洋―木村隆弘の徳島勢が後位に付いて唯一のライン3車で戦いに挑む。

 あらゆる要素が刺激になっている。先に行われたパリ五輪もその一つ。ともに研さんを積んできたナショナルチームの選手たちはメダルにこそ手が届かなかったものの、各種目で大健闘。「短距離も中距離も男子も女子も、思う存分、アピールできたのでは。まずはじっくり、ゆっくりケアしてもらいたい」と、刺激を与えてくれた仲間たちにエールとねぎらいの言葉を送った。

 GⅠオールスター(平塚)もそうだ。4車が優出した北日本は逃げ粘った新山響平の3着が最高で優勝者は出せなかったが「(佐藤)慎太郎さんもいいブロックをしていたし、新山君も力を発揮していた。優勝にはつながらなかったけど、各自が役割を果たしていたし得るものはあったと思う」。仲間たちの熱い走りに心を揺さぶられたことは言うまでもない。

 今年は2月のGⅠ全日本選抜(岐阜)での先頭員早期追い抜きによるペナルティーがあり、出走本数が足りずにオールスターへの出場はかなわなかった。それでもファン投票では4253票を集めて17位にランクイン。「出場できるか分からずに投票してくれた方もいたと思う。自分の犯したミスは重く受け止めているが、励みになった」。ファンの思いはしっかり届いている。

「来年こそは(常に)上の舞台でやりたい」。その一心で新田は目の前のレースに全力で臨む。