小田原競輪の大阪・関西万博協賛GⅢ「開設周年記念 北条早雲杯争奪戦」は24日に開幕した。

 12R特選では4車の地元神奈川勢が4着まで独占。層の厚さと結束力を見せつけた。予選組も4Rで復帰2戦目の川越勇星(27=神奈川)が逃げ粘って2着。番手差しの松坂洋平(41=神奈川)、3着の中村浩士(46=千葉)と南関3車でワンツースリーを決めた。

 川越の顔は自然とほころんだ。「いつになったら洋平さんから逃げ切れるんだろう。脚をつけたい」。前回、青森での復帰戦でも準決で松坂に差されて2着。悔しさ思いはあって当然だが、この日はラインで上位独占した充実感が上回った。

 我慢の時が無駄ではなかった。今年前期は相次ぐ落車に失格、腰痛に鎖骨骨折、7月のあっせん停止とどん底を味わい、今も100%の状態ではない。しかし、骨は折れても心が折れることはなかった。前だけを向き続けたことで「ごまかしながら走っていたころより、脚力は戻っている」という実感もある。

 2日目の25日は準決進出をかけて、8R二次予選に臨む。ライバルの機動型は1着発進の小畑勝広(25=茨城)に浅井康太(40=三重)が番手を務める岸田剛(25=福井)と手ごわくなるが「初日は内容も良く、成長しているという実感がある。一走すれば尻上がりに良くなるはず」。勢いに乗って自信を確信に変えていく。